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自然普及事業
Natural Environment Conservation Activities

2005年度(平成17年度)自然環境保全活動助成事業報告


太陽の里・ふれあいの森 自然観察ガイドブック刊行事業

富良野市生涯学習センターボランティア友の会

 本事業では、富良野市山部の国有林内に設置された遊々の森「太陽の里・ふれあいの森」をフィールドとした自然観察ガイドブックを作成・刊行しました。ふれあいの森の自然観察コースは、主に小中学生の自然体験や環境教育活動に利用され、生涯学習センターのボランティアスタッフによって運営されてきました。本書は、この間に積み上げられた活動実績と周辺の環境や動植物の調査結果を反映させ、すべてボランティア友の会会員が執筆しました。
 本書の作成にあたっては、対象を小学生高学年ないしは中学生以上から一般と想定しました。したがって、ガイドブックの要素をもたせるとともに、学校での副読本としても活用できるよう、基礎的な知識をやさしくかみくだいた表現で解説することに努めました。生涯学習ボランティア友の会では、この本を活用した事業を今後展開していく予定です。



環境の保全を図る活動

NPO法人  カラカネイトトンボを守る会

★★★ カラカネイトトンボを守る会 2005年度 活動  ★★★      

  1. 篠路福移湿地の保全・保護活動
  2. 石狩湿原のビオトープづくり(茨戸川・とんぼの学校)
  3. あいの里のホタルの飼育・保護活動
  4. トンネウス沼の自然維持活動

上記4大活動の推進を以下のように展開しました。

4/23(土)
AM 篠路福移湿地の現状の調査・エゾアカガエルの卵観察会 25名     
PM 総会 47名 (懇親会 23名)

5/22(日)
みずウォーク2005<綿路教諭が案内する自然観察コース> 28名 全体で約80名

5/28(日)
茨戸川「とんぼの学校」の整備 53名

6/1(水)
第10回ホタルの幼虫放流会(320匹 東小 4年生2クラス 74名)

6/3(金)
第7回日本水大賞、日本ストックホルム青少年水大賞に北海道札幌拓北高校理科研究部が、みごと受賞!!
<とんぼ調査14年が高い評価を受ける、8月の国際コンテスト日本代表>

6/25(土)26(日)
第4回北海道・川の日ワークショップinくしろ
市民活動の部、グランプリ受賞!(1位/13チーム) 14名参加


篠路福移湿地  「管理地NO1」にて


篠路福移湿地  「管理地NO3」にて

7/9(土)
篠路福移湿地観察会と「とんぼの学校」に生物の移植
「管理地NO1」看板を建てる 23名

7/16(土)17(日) 
第8回・川の日ワークショップin矢作川(豊田市)初出場ながら入選する!(28位以内/71チーム)

7/26(火)
ホタルの光観察会(ホタルコンサート東中合唱部 25名) 約100名

8/6(土)
NHK「環境新時代、北海道とんぼの楽園を守りたい」12:40〜45放映
「とんぼの学校」学校祭 約40名

8/7(日)
昆虫採集・標本作り 20名

9/10(日)
篠路福移湿地「管理地NO2」看板建てる
トンネウス沼の大掃除・ホタル池の整備 36名

10/7(金)
高文連理科研究発表会
札幌拓北高校理科研究部 奨励賞受賞(顧問:加藤・熊野教諭)
テーマ「篠路福移湿地の埋め立てによる生物相の変化」

11/3(祝)
地域住民による植樹会2005in茨戸川 16名 全体で約50名

11/12(土)
篠路福移湿地「管理地NO3」看板建てる「カラカネイトトンボトーキング」20名

11/26(土)
タウントークin北区2005 あなたの街で市長と語ろう!
<上田市長と自然環境を守る運動3団体の一つとして討論> 約100名




北海道の高山植物の盗掘防止と保護

北海道高山植物盗掘防止ネットワーク


島牧小学校児童も大平山にある
高山植物の貴重さを学びました

 北海道高山植物盗掘防止ネットワーク委員会は、各地の高山植物を守る活動を続けています。ほとんどボランティアでしたが昨年5月に前田一歩園財団から、これらの地道な活動に助成金が出ました。
 大平山の登山口近くまで、道路が開通して登山者が増えて貴重な高山植物がさらに減少するのではないかと危惧されています。

 ネットワーク委員会では、大平山は島牧村の宝ものだということを島牧の小中学生に知ってもらおうと、特別授業を準備してきました。 10月19日、島牧中学校から特別授業が始まりました。体育館に集まった全校生徒60人は、札幌からきた初めての授業に緊張気味。

 講師は北大大学院地球環境科学研究科教授の小野有五さんです。カラー刷り8ページの副読本とパワーポインタを使って氷河期に北海道とアジア大陸が陸続きになったこと、大平山や狩場山の高山植物は3万年前の、氷河期にはるばるアジア大陸から渡ってきた植物であることや、島牧あたりまでマンモスやナキウサギもいたことを説明すると、中学生たちはぐんと島牧の自然に興味がわいたようです。


地元大平山についての特別授業を
受ける島牧中学校生徒



11月19日に北大学術交流会館にて開催された
「高山植物を守って!市民フォーラム」

 大平山は石灰岩地帯で固有種・希少種が多いが、キリギシソウ、オオヒラウスユキソウ、キバナノアツモリソウ、ホテイアツモリなどが盗掘されて絶滅の危機にさらされていることなどを伝えました。同様の授業を島牧小学校でも行い3年以上の64人が熱心に耳を傾けました。

 ワークショップでは「親たちにも知ってもらうために家に帰ったら話す」「観光客に大平山の自然を知ってもらうチラシを配る」「民宿やコンビ二にチラシを置く」「踏みつけないように休憩用のベンチを作る」などのユニークな意見や、島牧ファンクラブを作ろうなど、たくさんの意見が出て、島牧には豊かな自然があることを初めて知ったという児童や生徒も多く、島牧村を再認識した授業になりました。

 11月19日には「高山植物を守って!市民フォーラム」を北大学術交流会館で開催し、加盟団体のメンバーや市民190人が参加しました。 アポイ岳ファンクラブ、雨竜沼湿原を愛する会、エコ島牧、山歩集団青い山脈、ユウパリコザクラの会のそれぞれの団体から、地域の山の現状とパトロール活動などが報告されました。北大地球環境科学研究院助教授の工藤岳先生の「高山植物とユキのかかわり、そして地球温暖化の影響」についての講演、植物写真家の梅沢俊さんの講演などから、より深く高山植物を守ることの大切さを学びました。

 最後に参加者一同で、「北海道には、この地球上で、そこにしか生育しない高山植物がたくさんあります。それらが盗掘た踏み付けによって絶滅してしまわないように、北海道に住む私たちは、力をあわせ、官民一体となって、高山植物の保護、生育地の保全に取り組みます。」「未来をになう子供たちに、高山植物を守ることの大切さ、山の自然のすばらしさを小さい時から教育をみんなでつくっていきましょう。」などのアピール文を採択しました。